月刊DIGITAL FACTORY

いつわり彼女

作品情報

人の素を撮りたいと思った。とりたてて撮りたいと思ったのは、笑顔が素敵な女の子だった。僕は彼女のことが「好き」だと思った。それは恋愛感情としての「好き」ではなく、人間としての「好き」だった。彼女の「好き」と僕の「好き」は、意味の違うものだった。もっと素の表情が見たくて、彼女の深いところへ、踏み込んで踏み込んでいった。気付いたら関係性が恋人に近いものになっていた。でも、恋人として自分に必要な存在ではなかった。そんなふうに思ってなお、彼女と付き合うことはできなかった。
僕はずるい。